ファクタリングについて調べてみると、償還請求権という言葉を目にすることがあります。ファクタリングとの関係が気になるところですが、実際には銀行の融資と違い、ファクタリングの多くは償還請求権というものがありません。ただし、後ほどお伝えするようなトラブルを避ける上でも、償還請求権について事前に理解しておくことはとても重要です。そこで今回は、ファクタリングと償還請求権との関係や注意点についてご紹介していきます。
そもそも償還請求権（リコース）とは何か？
ファクタリングにおける償還請求権とは、ファクタリング会社に買い取られた売掛債権が売掛先企業の倒産などの理由から回収不能となった場合、ファクタリング会社がファクタリング利用者に対して、代わりにその債権相当額を支払うよう請求できる権利のことです。償還請求権が付いているファクタリングの場合、利用者はその支払いを拒むことはできません。そのため、せっかく調達できた資金を失うことになってしまいます。
償還請求権のあるファクタリングは別名「リコース」と呼ばれ、反対に償還請求権が無いものは「ノンリコース」と呼ばれています。ノンリコースのファクタリングであれば、売却した売掛債権が回収不能になっても、ファクタリング会社がそのリスクを負うため、利用者が請求されることはありません。
ファクタリングの多くは償還請求権がない
このようにファクタリングに償還請求権があると、ファクタリング利用者には大きなリスクがあることがわかりました。しかし、実際のところ、最近のファクタリングの多くには償還請求権がありません。その理由としては、ファクタリングの契約内容が単なる売掛債権の譲渡（売買）とされているものが大半となっているからです。
ファクタリングでは、売掛債権がファクタリング会社に売却され、ファクタリング利用者が資金調達できた時点でお互いの契約上の目的が達成されます。売却された売掛債権については、万が一回収不能となっても、ファクタリング利用者がその責任を負わない契約内容になっています。したがって、売却債権が譲渡されてしまえば、上述のようにファクタリング利用者が債務者の代わりに支払うといった責任やリスクを追うことはありません。
銀行やノンバンク系には償還請求権付きの場合がある
ファクタリングの多くは償還請求権がありませんが、銀行系やノンバンク系のファクタリング会社の中には、償還請求権が付いている場合があります。償還請求権が伴うファクタリングは、厳密には売掛債権を担保にした「売掛債権担保融資（ローン）」となります。
このような売掛債権担保融資は、「貸金業法」という法律で金融庁への貸金業登録が済んでいる金融機関のみがおこなえるものになっています。銀行系やノンバンク系のファクタリング会社の場合、貸金業登録済みであるため、このような償還請求権の伴うファクタリングをおこなっても違法ではありません。
償還請求権がある場合の注意点とは？
償還請求権が付いているファクタリングで注意すべき点としては、このような貸金業登録をおこなわずにファクタリングを装った「融資」を持ち掛けてくる「闇金業者」の存在です。しかも、そのような融資は非常に高金利な場合がほとんどです。
闇金業者はファクタリングの話からたくみに融資へと話をもっていこうとします。例えば、売掛先企業の信用リスクや貸し倒れリスクがとても高いので、償還請求権付きならすぐに資金調達できる、などと持ちかけてきます。また、償還請求権付きなら利用手数料を安くする、といった話を持ち出してくる例も見られます。
闇金業者がファクタリングではなく、売掛債権担保融資の話を持ち掛けてくるのは、法外な利息を取りたいからです。1回だけの取引で終わってしまうファクタリングよりも、返済期間中にわたり高金利を取り続けることができる融資は、そのような業者にとって非常にメリットが大きいのです。
本来、売掛債権を売買するというファクタリングの契約自体は当事者間の合意のもとで有効です。しかし、闇金業者のような無登録業者が売掛債権を担保に取った融資は違法となりますので、絶対に関わってはいけません。
ファクタリングを申し込んだのに、いつのまにか融資の話に切り替わっていたら、闇金業者である可能性が髙いので注意しましょう。もし、契約書の書面上から償還請求権付きかどうかがわからない場合には、必ず契約書上のどこに記載があるのかを担当者に確認してみてください。
償還請求権の有無や闇金業者には注意！！
償還請求権のあるファクタリングの場合、ファクタリング会社が売掛先企業から資金回収できなければ、利用者が代わりに支払いに応じなければなりません。実際にはファクタリングの多くで償還請求権はないものの、銀行系やノンバンク系のファクタリング会社の場合、償還請求権付きのものがあります。とりわけ、注意すべきなのがファクタリングを装い、高金利を要求してくる闇金業者の存在です。
そのような闇金業者に関わると調達した資金が台無しになるだけでなく、様々なトラブルに巻き込まれる可能性があります。もし、利用申し込みをしたファクタリング会社が途中から言葉たくみに融資話を持ち掛けてきたり、途中で怪しいと気づいたら絶対に契約しないようにしましょう。また、償還請求権の有無がわからない場合には必ず担当者に確認することが大切です。
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