資金繰りの強い味方　メインバンクの重要性を理解しよう

Contents

メインバンクとは？
経営環境によって変わるメインバンクの重要性
メインバンクが支援の要になる
経営再建でも頼れるメインバンク
まとめ

メインバンクとは？

経営者であれば、「メインバンク」という言葉になじみがあることと思います。しかし、色々な銀行と取引している中で、どの銀行を、どのような理由でメインバンクと捉えるかについて曖昧に考えていることが珍しくありません。
また、創業したばかりの会社であれば、まだ銀行との取引は始まったばかりです。これから複数の銀行と取引していく上で、メインバンクの正しい考え方を知っておくことが大切です。
メインバンクを理解するうえで最も分かりやすいのは、

・取引している銀行の中で融資総額が最も大きい銀行

という考え方です。
いくつかある取引銀行の中で融資総額が最も大きいのですから、そのような関係に至るまでには様々な交渉があるはずです。例えば、従業員の給与振込に利用する、売掛金の回収・買掛金の支払いに利用するなどの取引を繰り返し、徐々に付き合いが深くなっていき、借り入れを相談することも多くなり、やがて融資総額が最も大きくなります。
したがって、メインバンクは融資総額が最も大きい銀行であると同時に、

・取引している銀行の中で利用頻度が最も高い銀行

であるともいえます。
メインバンクは、会社側から「我が社のメインバンクになってください」と依頼してメインバンクになってもらうのではなく、取引を通して徐々にメインバンク化していくものなのです。

経営環境によって変わるメインバンクの重要性

無借金経営を貫いている会社を除き、ほとんどの会社にとってメインバンクは重要な存在です。なぜならば、メインバンクが資金調達の強い味方になってくれるからです。
経営が順調なときであれば、複数の銀行とうまく付き合うことができます。相談すれば積極的に融資を検討してくれるでしょうし、業績が好調であれば銀行側から好条件でのプロパー融資を持ち掛けてくることもあります。この場合、資金調達先として特にメインバンクに依存することはありません。
しかし、経営が悪化したとき、メインバンクの重要性は大きく高まります。
業績が落ち込み、財務内容も刻々と悪化しつつある会社に対しては、多くの銀行が融資に消極的になり、追加融資よりもむしろ債権保全に動きます。このため、融資が必要になったときに頼れる銀行は限られてきます。
メインバンクと良い関係を構築していれば、そのような状況でも率先して支援してくれる可能性が高いです。多くの銀行が支援を渋る中でもメインバンクだけは相談しやすく、まさに「資金繰りの強い味方」になってくれるのです。

メインバンクが支援の要になる

経営の悪化には段階があり、徐々に悪化していくのが普通です。
経営が徐々に悪化しつつある時、銀行も徐々に消極姿勢になっていくわけですが、銀行との関係を保っていくうえでもメインバンクがカギとなります。なぜならば、メインバンク以外の銀行は、メインバンクの動向を観ながら支援の方向性を決めることが多いからです。
経営が悪化しつつある会社の支援を検討する際、ほとんどの銀行が「メインバンクが支援しているなら、まだ大丈夫だろう」「メインバンクも見放しつつある、この会社はいよいよ危ない」というように、メインバンクの動向を判断材料にしています。
つまり、経営が悪化しつつある状況でも、メインバンクからの支援をしっかりと取り付けていくことで、取引のある複数の銀行がたちまち離れていく事態を防ぐことができるのです。

経営再建でも頼れるメインバンク

経営が悪化してゆく中でも、メインバンクは最後まで積極姿勢で支援してくれる「資金調達の強い味方」です。
さらに、経営が危機的状況に陥った場合には「経営再建の強い味方」にもなります。メインバンクは、経営を立て直すための融資を受けやすいだけではなく、リスケジュールでも頼れる存在です。
経営再建においてリスケジュールは必要不可欠ですが、リスケジュールの内容によって経営再建の成否は大きく左右されます。個々の取引銀行と交渉していくならば、交渉自体が難しいだけではなく、銀行間で条件に大きな差が生まれ、経営再建が難航することがよくあります。
上記の通り、メインバンクが支援しているという事実は、他の銀行にとって大きな安心材料になります。リスケジュールを進める際、メインバンクがバンクミーティングを主催して音頭を取ることで、取引銀行全体で歩調を合わせてリスケジュールに応じてくれる可能性が高まります。
バンクミーティングで、メインバンクが会社にとって有利な（銀行にとっては不利な）リスケジュールを提案することで、他の銀行も「メインバンクがそうするなら」と考えて受け入れてくれるのです。
平常時の融資から非常時のリスケジュールまで、メインバンクはあらゆる意味で「資金繰りの強い味方」なのです。

まとめ

メインバンクは、経営が順調なときはもちろんのこと、経営がうまくいかないときにも支援を受けやすく、頼れる存在です。
会社の資金調達方法は色々あり、銀行融資が全てではありません。場合によってはファクタリングやビジネスローンを使ったほうがよいこともあります。色々な資金調達方法を、その時々の状況によってうまく使い分けていくことが大切なのです。
とはいえ、あらゆる状況で頼れるメインバンクがあることは、経営にとって大きな安心材料になります。メインバンクの重要性を知り、長期的な資金繰りに役立てていきましょう。

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