不動産担保融資

中小企業だから知っておくべき信用保証協会の基礎知識

ほとんどの中小企業では、信用保証協会となんらかの縁を持ちます。しかし、信用保証協会について、あまり知識がないまま利用している経営者が非常に多いです。
中小企業にとって欠かせない存在だからこそ正しく理解し、積極的な活用を心がけることが大切です。この記事では、信用保証協会の基礎知識をお伝えします。

中小企業と信用保証協会

中小企業が銀行から融資を受けるとき、不動産担保や信用保証協会の保証を求められることが非常に多いです。
もちろん、一口に中小企業といっても規模は様々です。業容が大きい企業では年商1億円以上の場合もありますが、多くは年商数千万円でしょう。零細企業であれば、年商1,000万円以下です。
業容が小さい企業ほど、銀行融資のハードルは高くなります。それは景気変動の影響を受けやすく業績が不安定であり、財務基盤も脆弱であるためです。したがって、以下の場合を除き、プロパー融資を受けることは困難です。

  • 業績が非常に良い
  • 業歴が非常に長い
  • 会社あるいは経営者個人の資産が非常に多い

そのため、中小企業と信用保証協会は切っても切れない関係にあるといえるでしょう。
しかし、中小企業経営者の多くは、信用保証協会についてほとんど知識を持っておらず、「銀行から『保証つきなら融資できます』と言われたから」といった理由で何気なく利用しています。
このような消極的な態度では、信用保証協会を活用することは困難です。正しい知識を持ち、積極的な活用を心がけるかどうかによって、中小企業の資金繰りに雲泥の差が生じます。

信用保証協会の基礎知識

信用保証協会の活用のために、まずは信用保証協会の基礎知識から押さえていきましょう。最初に知っておくべきことは、「信用保証協会は、中小企業の資金繰りの円滑化を目的とする公的機関である」ということです。
信用保証協会は、各都道府県にひとつずつ、さらに横浜市・川崎市・名古屋市・岐阜市に4つの合計51法人が運営されています。銀行融資を受けるために、信用保証協会を利用する際には、企業所在地の信用保証協会を利用します(例えば、東京都の企業は東京信用保証協会を利用)。
ただし、会社によっては、

  • 1.複数エリアに事業所を構えている
  • 2.自社の所在地を複数の信用保証協会がカバーしている

という場合も考えられます。
1.の場合には、事業所の所在地に対応している信用保証協会ならばどこでも利用できます。例えば、東京都に本社を、茨城県と千葉県に支社を構えている会社では、東京信用保証協会・茨城県信用保証協会・千葉県信用保証協会の3つから選ぶことが可能です。
2.の場合も、自社の所在地に対応している信用保証協会ならば、全て利用できます。例えば、横浜市の会社は神奈川県信用保証協会・横浜市信用保証協会の2法人が対応しており、どちらかを選んで利用できるのです。

もっとも、ほとんどの会社は、融資を申し入れた銀行から「〇〇信用保証協会で保証を受けましょう」といった指定を受けます。このため、「××信用保証協会を利用したい」と主張することは可能ですが、銀行に指定された信用保証協会を利用しているケースがほとんどです。

信用保証協会の役割

銀行は、なぜ信用保証協会の利用を勧めてくるのでしょうか。これを理解するには、信用保証協会の役割を知る必要があります。
上記の通り、信用保証協会の目的は「中小企業の資金繰りの円滑化」にあります。簡単にいえば、信用保証協会は銀行と中小企業をつなぐ役割を担っているのです。
では、どのように銀行と中小企業をつなぐのかといえば、

  • 銀行には保険
  • 中小企業には信用

付与することによってつないでいます。

銀行への保険の付与

信用保証協会が銀行に与える保険は、貸し倒れリスクに備えるためのものです。
保証をつけずに融資するプロパー融資は、貸し倒れリスクを銀行が100%負います。例えば1億円融資し、2,000万円まで返済したところで融資先が倒産すれば、銀行は8,000万円の貸し倒れとなります。
不動産担保などによって残債の回収が可能な場合もありますが、銀行にとってはリスクの高い融資です。だからこそ、財務基盤の脆弱な中小企業に対して、銀行はプロパー融資を出したがらないのです。

一方、信用保証協会の保証をつけると、銀行は貸し倒れリスクの大部分を信用保証協会に移転できます。信用保証協会の保証付融資であれば、貸し倒れの際に残債の80%を信用保証協会が弁済し、銀行の貸し倒れ損失は残債の20%に抑えることができるのです。
これが、信用保証協会が銀行に与える保険機能です。信用保証協会の保証があることによって、銀行は債権の80%以上を確実に保全できるため、

  • これまで融資したことがない会社
  • 業歴が浅い会社
  • 資産背景が乏しい会社
  • 業績が悪化傾向にある会社

など、プロパー融資を出せない中小企業に対しても融資しやすくなるというわけです。

中小企業への信用の付与

新規の融資である、業歴が浅い、資産が乏しい、業績が芳しくないといった中小企業は、銀行から融資を受けることが難しく、まともに審査してもらえないことも多いです。これは、信用がないからです。
しかし、会社を経営していれば資金需要が発生し、資金繰りのためには借り入れが必要です。そこで信用の不足を補うために、信用保証協会が役立ちます。

銀行のいう「信用」とは、貸し倒れリスクに陥ることなく元金と利息をしっかり回収できることであり、いわば債権の保全を意味します。会社自体には信用がなくとも、信用保証協会が保証をつけることによって信用が生まれ、銀行は融資しやすくなるのです。

これを読んで、ピンときた経営者も多いでしょう。融資に消極的な銀行が、信用保証協会の保証をつけることで急に積極的になった、という経験がある経営者は少なくないはずです。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けて業績や財務が急速に悪化し、銀行融資が受けられずに困ったときでさえ、信用保証協会の「セーフティネット保証」を利用することで融資を受けられるようになるのです。

まとめ

本稿では、信用保証協会の基礎知識について解説してきました。信用保証協会・銀行・中小企業の三者の関係が理解できたことと思います。
信用保証協会が保険を付与することにより、銀行は中小企業に融資しやすくなります。中小企業は信用の付与により、銀行から融資を受けやすくなります。
プロパー融資だけで資金需要をカバーすることは現実的に困難であり、信用保証協会が資金繰りに役立つことは間違いのないことです。
ただし、信用保証協会をしっかりと活用していくには、知識やノウハウが欠かせません。その点に不安があるならば、資金繰りを専門とするコンサルタントなどに相談することも視野に入れることをおすすめします。

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