「お金を借りたけど返済が大変・・・」
「利子付きの返済のせいで、月々の支払いが大変です」
「返済をするために、また他の負債を作っています・・・」
金融機関で資金調達した方から、このような悩みの声を聞くことがあります。
融資で資金調達をしたら必ず利子つきで返済しなくてはなりません。
できることなら、月々の支払いに悩むことの無い生活を送りたいものです。
そんな方には、返済不要の資金調達がおすすめです。
この記事では、代表的な返済不要の資金調達である以下の4つを紹介していきます。
- ファクタリング
- クラウドファンディング
- 助成金・補助金
- 出資
それぞれの資金調達方法の仕組みやメリット・デメリットの解説をしますので、ぜひ最後までお読みください。
返済不要の資金調達って?
そもそも「返済不要の資金調達」とはどういうことでしょうか。
文字だけ見ると、なんだか少し怪しいイメージを持つ方も多いかもしれません。
大まかに説明すると、
- 「自分のものを買い取ってもらう」
- 「応援してくれる人から無償で資金提供をしてもらう」
これらをビジネスとして仕組み化することで、返済不要の資金調達は可能となっています。
では、それぞれの詳細を解説していきましょう。
ファクタリング
ファクタリングとは、「売掛債権の買取」サービスを指します。
売掛債権とは、企業が商品やサービスを提供することで発生する売掛金を受け取る権利のことです。
つまり、「売掛金を受け取る権利=将来手元に入る予定の請求書」を支払い期日前に、買い取ってもらうサービスとなっています。
また、償還請求権のない契約がほとんどであるため、万が一売掛先が倒産した場合にも支払い義務は生じません。
銀行融資などとは異なり、借入ではないため、当然返済の必要もないのです。
また、ファクタリングは手早い現金化が可能なサービスとなっています。
売掛債権の買取であるため、審査にも通りやすく、最短即日~1週間程度で入金されます。
審査基準は売掛先の信用力を重要視するため、赤字経営等で銀行融資に断られてしまった場合でも利用可能という点が特徴といえるでしょう。
ファクタリングのメリット
ファクタリングのメリットは以下の5点です。
- 手早い現金化が可能(最短即日~1週間程度)
- 信用情報に悪影響を与えない
- 売掛金の未回収リスクを回避できる
- ファクタリングの利用を知られることがない(2社間ファクタリングのみ)
- 審査に通りやすい
1,手早い現金化が可能
ファクタリングの1番のメリットは、最短即日での現金化が可能ということでしょう。
銀行融資やその他の返済不要の資金調達方法は、審査や集金に時間を要するため、即日での現金化は難しいです。
カードローンは即日入金が可能となりますが、返済義務は生じてしまいます。
即日入金可能かつ返済の必要がない資金調達手段はファクタリングだけであり、魅力的なサービスといえるでしょう。
2,信用情報に悪影響を与えない
ファクタリングは、銀行融資やビジネスローン等の「借入」とは異なるため、負債が増えることはありません。
売掛金を早期現金化しているだけなので、信用情報においても記録が残らないです。
そのため、利用者の信用力に影響を与えることもなく、資金調達が可能です。
信用情報の悪化は企業イメージを下げかねません。
そのようなリスクを回避しながら資金調達できる点もメリットといえるでしょう。
3,売掛金の未回収リスクを回避できる
ファクタリング契約のほとんどが「償還請求権のない」契約となっています。
償還請求権とは、万が一売掛先から入金がなかった際に、ファクタリング会社が利用者に売掛金を請求することができる権利のことです。
償還請求権のない契約がほとんどなので、売掛先の倒産などにより売掛金の回収ができなくなってしまった場合でも、ファクタリング会社へ売掛金を支払う必要はありません。
経営状況が悪化している売掛先等からの売掛金の未回収リスクを回避できるという点でも、ファクタリングは重宝されています。
4,ファクタリングの利用を知られることがない
ファクタリングの利用を知られることがない点も、メリットといえるでしょう。
資金調達をしていることが知られると、「資金繰りの悪化」を疑われるかも知れません。
ファクタリングであれば、第三者に利用を知られることなく資金調達が可能です。
5,審査に通りやすい
審査に通りやすいという点でも、ファクタリングは重宝されています。
銀行融資やカードローンは利用者に返済能力があるのかを重要視します。
それに対し、ファクタリングは「売掛先の信用力」が重要視されるため、利用者の財務状況は審査にさほど影響しません。
他の方法での資金調達が不可能だった場合でも、利用できる可能性が高いという点はメリットといえるでしょう。
ファクタリングのデメリット
ファクタリングのデメリットは以下の3点です。
- 手数料がかかる
- 売掛金以上の資金調達はできない
- 売掛金の全額を売却することはできない
1,手数料がかかる
ファクタリングは、支払期日前の売掛債権を買い取ってもらう代わりに、手数料の支払いが発生します。
手数料は売掛金の1.0%~30.0%と決して安い額ではないため、利用時には注意が必要となってきます。
2,売掛金以上の資金調達はできない
売掛金以上の資金調達ができないという点も、デメリットといえるでしょう。
ファクタリングは売掛債権を買い取ってもらうサービスであるため、売掛金の範囲内でしか資金調達ができません。
売掛金以上の多額な資金が必要な場合には不向きなサービスといえます。
3,売掛金の全額を売却することはできない
ファクタリングは売掛債権の70%~80%を掛け目としている会社が多いです。
売掛金全額の売却ができない上に、手数料も支払わなければならないため、思っていたよりも資金調達可能な額が少なくなってしまうデメリットがあります。
ファクタリングがおすすめなケース
上記のようなメリット・デメリットのあるファクタリングですが、
- いち早く手元に現金が必要な場合
- 信用情報を傷つけることなく資金調達したい場合
- 他の資金調達手段は断られてしまって利用ができない場合
- 売掛金の未回収リスクを回避したい場合
このような場合に、おすすめの資金調達方法といえるでしょう。
※ファクタリングについて基礎から知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
『ファクタリングの仕組みとは?メリット・デメリットや利用の流れを解説』
クラウドファンディング
クラウドファンディングは、インターネット上で不特定多数の人から支援金を集める行為のことです。
資金が必要な理由を公開し、賛同してくれた人から支援金を集める方法です。
クラウドファンディングで資金調達ができるサイトへアクセスし、プロジェクト内容や目標金額の設定をすることで、申し込みが完了します。
サイト運営者とやり取りを経て、審査通過したのちに資金調達が開始できるというのが一般的な流れとなります。
クラウドファンディングのメリット
クラウドファンディングのメリットは以下の2点です。
- 信用調査がいらない
- 宣伝効果になる可能性がある
1,信用調査がいらない
クラウドファンディングでは、利用者の信用情報は全く重要視されません。
資金提供するかどうかは、閲覧者個人の判断に委ねられるため、そもそも信用情報の審査自体の必要性がないのです。
例え利用会社が赤字経営だろうと、起業間もない会社であろうと、そのプロジェクトや企画が魅力的であれば、資金調達成功の可能性は高くなります。
融資が受けられない場合でも、商品開発やプロジェクトに対する熱意があれば多額の資金を調達できるチャンスがあるというのはメリットといえるでしょう。
2,宣伝効果になる可能性がある
クラウドファンディングは、インターネット上に開示したプロジェクトや企画に賛同してくれる人から支援金を集めるサービスです。
たくさんの人が利用しているサイトであれば、不特定多数の人の目に留まることも多いです。
うまく行けばプロジェクト開始前の宣伝も可能というメリットがあります。
クラウドファンディングのデメリット
クラウドファンディングのデメリットは以下の3点です。
- 資金調達に時間がかかる
- 目標金額に達しないことが多い
- 公表した目的以外に資金を使うことはできない
1,資金調達に時間がかかる
クラウドファンディングでの資金調達は、とにかく時間がかかります。
クラウドファンディングのサイトに情報を開示してから、その情報を見てもらえるようにSNS等で宣伝する時間も必要です。
資金が集まったとしても、入金までに約1ヶ月~2ヶ月かかってしまうことが多いです。
目標金額に達しないことが多い
自分のプロジェクトに賛同してくれる人が何人いるのか、どれくらい資金提供してもらえるのかは全て閲覧者個人に委ねられています。
利用者がインフルエンサーや有名な人であれば集客も見込めますが、そうでない場合はなかなか難しいのが実情です。
また、目標金額に達成しなかった場合は「未達成」として、支援金は支援者に返金しなければなりません。
とにかく魅力的かつ、たくさんの人から賛同を受けられるようなプロジェクトでなければ、資金調達は難しいでしょう。
公表した目的以外に資金を使うことはできない
クラウドファンディングで得た資金は、公表していた目的以外に使うことはできません。
資金調達完了後には、その資金をどのように使用したのかを報告する義務があるからです。
集まった資金を自由に使えないという点は、デメリットといえるでしょう。
クラウドファンディングがおすすめのケース
上記のようなメリット・デメリットのあるクラウドファンディングですが、
- 魅力的な企画やプロジェクトの提案ができる場合
- 資金調達に必要な時間的猶予が長い場合
- 商品やプロジェクトの宣伝も一緒にしたい場合
このような場合におすすめの資金調達方法です。
助成金・補助金
助成金と補助金は、主に国や地方自治体などの公的機関が企業を援助するためのもので、一定の条件を満たした場合に受け取れる資金のことです。
助成金も補助金も一定条件を満たした場合に受け取れますが、厳密には以下の様に定義されています。
- 助成金:一定の条件を満たすことで必ず支給される返済義務のないお金
- 補助金:期間内に応募して採択されたら支給される返済義務のないお金
どちらも返済義務のない資金ではありますが、「申請者が支払いをした後に受け取ることができるお金」であるため、注意が必要となります。
まずは実費で支払いをしなければならないため、前金が必要となるのです。
助成金・補助金のメリット
補助金・助成金のメリットは以下の2点です。
- 使用用途は自由
- 公的融資を受けやすくなる
1,使用用途は自由
補助金・助成金は、基本的にどんなことに使用しても問題になりません。
調達した資金を自分の自由に使えることはメリットといえるでしょう。
2,公的融資を受けやすくなる
助成金を受給できるということは「国から労務環境が整備されていると認められた」ということになります。
助成金を受給できたという実績により、企業の信用度も上がるため、公的融資の審査にも通りやすくなるのです。
資金調達の幅が広がる可能性があるというのは大きなメリットです。
助成金・補助金のデメリット
助成金・補助金のデメリットは以下の4点です。
- 受給条件が厳しい
- 受給までに時間がかかる
- 整備コストが必要となる場合がある
- 期限を過ぎると申請ができない
1,受給条件が厳しい
近年、不正受給が増加傾向にあるため、国や自治体も条件を厳しくせざるを得なくなっています。
そのため、必要書類も多くなってきているのが現状です。
申し込みをしたとしても、条件をクリアできない場合は受給できないのでハードルは高いといえるでしょう。
2,受給までに時間がかかる
受給までに時間がかかる点もデメリットです。
必要書類の準備にも時間がかかる上に、審査から入金までにも約1~2ヶ月かかってしまいます。
早急に現金を手にしたい人には不向きなサービスとなっています。
3,整備コストが必要になる場合がある
審査の通過率を高くするために、整備コストがかかる場合がある点もデメリットとなります。
審査には専門知識が必要となることもあるため、専門家へ依頼しないといけないことも。
また、労働環境を整えるための整備コストも必要となることもあります。
助成金受給よりも整備コストがかかってしまっては受給する意味がありません。
整備コストとのバランスを考慮する必要がある点もやや手間といえるでしょう。
4,期限を過ぎると申請することができない
国や自治体のサービスなので期限にも厳格です。
いくら受給条件がそろっていたとしても、申請期間を1日でも超過してしまうと受給することはできなくなります。
融通が利かないという点もデメリットです。
助成金・補助金がおすすめのケース
上記のようなメリット、デメリットがある助成金・補助金ですが、
- 受給条件に該当している場合
- 申請の手間を考慮した上で、受給を希望する場合
- 企業資金の補填にあてたい場合
にはおすすめのサービスとなっています。
出資
プロジェクトや事業への出資者を募ることでも、資金調達は可能です。
出資は、投資家などから会社の株と引き換えに返済義務のない資金提供を受ける事を指します。
返済義務のない資金を提供してもらう代わりに、自社株を投資家に提供するという仕組みとなっています。
自社が成長すれば出資者にも利益が入るため、Win-Winの関係で資金調達ができます。
出資のメリット
出資のメリットは以下の2点です。
- 経営に関する助言をもらうことができる
- 人脈が広がる可能性がある
1,経営に関する助言をもらうことができる
基本的に出資者はエンジェル投資家であることが多いです。
エンジェル投資家は現役の経営者であることも多く、優れた経営手腕を持っている可能性が高いです。
投資家も投資した会社が成長することで、自分にも利益があるため惜しみなく助言してくれることでしょう。
起業や自社経営をする上で、最も大切である知識・経験・ノウハウのアドバイスをもらうことができるのはメリットといえるでしょう。
人脈が広がる可能性がある
人脈が広がる可能性があるという点もメリットです。
投資をしてくれている方と実際に会ったり、話したりする機会もあります。
その中でまた新たな人脈が生まれ、事業拡大のチャンスとなる可能性も十分あり得る話です。
経営をする上で質の良い人脈は重要ですので、その可能性があるのはメリットといえます。
出資のデメリット
出資のデメリットは以下の3点です。
- 出資してくれる人を探すのが難しい
- 経営に過剰に関与される可能性がある
- 目標の資金調達額に達しない可能性がある
1,出資してくれる人を探すのが難しい
エンジェル投資家は簡単に見つけられるものではありません。
自社の事業内容や商品などで投資者の心を惹きつける必要があり、投資する価値があると判断されなければ投資してもらえません。
まず見つけるまでに多くの時間と労力が必要になるという点は、デメリットといえるでしょう。
2,経営に過剰に関与される可能性がある
エンジェル投資家の中には、全く口を出さない人もいれば、ことあるごとに口出ししてくる人もいます。
多額の投資をしてもらっている場合は、投資家の意見に反対するのも難しいでしょう。
必要以上に口を挟んでくる投資家の場合は、自社経営なのに自分の思ったような経営が行えなくなる場合もあるので、注意が必要です。
3,目標の資金調達額に達しない可能性がある
出資で得られる資金は、投資者がいくら投資してくれるかに大きく左右されます。
うまく行けば目標よりも多く資金調達することもできます。
しかし、投資家の心を惹きつけることができなければ、多大な投資をしてもらうことは難しいでしょう。
目標額に到達しない可能性もあるため、注意が必要です。
出資がおすすめのケース
上記の様なメリット・デメリットがある出資ですが、
- 起業間もなく、経営ノウハウのアドバイスも欲しい場合
- 人脈や事業拡大のチャンスを広げたい場合
- 投資家の心を惹きつける自信がある場合
におすすめの資金調達といえるでしょう。
まとめ
この記事では、返済不要な資金調達方法4つの解説をしました。
起業や事業拡大をする上で、必ずといっていいほど悩みの種となる資金調達。
銀行融資やカードローン等の利子付き返済の義務がある資金調達が主流となっている中、返済不要な資金調達も存在しています。
それぞれメリット・デメリットはありますが、銀行融資に断られてしまった場合や、返済に自信がない場合は「返済不要の資金調達」を検討してみてもいいかもしれません。
特に、ファクタリングと助成金・補助金は確実性が高いため、おすすめの資金調達方法といえるでしょう。
資金調達のプロがお客様の状況をヒアリングした上で適切なアドバイスを致します。
- ・初めて資金調達を行いたい
- ・銀行借入を成功させたい
- ・国の資金調達制度を使いたい
- ・助成金、補助金の申請をしたい
- ・早急に資金が必要
- ・資金繰りの改善をしたい