ファクタリングの手数料相場がわからず、なかなか利用に踏み出せない経営者の方も多いのではないでしょうか。
今期の記事では、下記についてご説明します。
- ファクタリング手数料の仕組み
- ファクタリング手数料を安く抑える方法
- ファクタリングに関するよくある質問
この記事を参考にして、手数料で損することなくファクタリングを利用してください。
※ファクタリングについて基礎から知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
『ファクタリングの仕組みとは?メリット・デメリットや利用の流れを解説』
- ファクタリング手数料は交渉によって変わりますか?
- 赤字・債務超過ですが利用できますか?
- 一社で断られた場合、他社で利用できる可能性はありますか?
- 個人事業主でも利用できますか?
- 起業したばかりでも利用できますか?
- 悪質なファクタリング会社の見分け方は?
ファクタリングの手数料はどうして発生するの?
ここでは、ファクタリングの手数料がどのように構成されるのかをご説明します。
基本手数料
まず、ファクタリングを利用する際には、各社定められた基本手数料がかかります。基本手数料はファクタリング会社の収益になるところです。売掛債権を回収できるリスク度合いを勘案して決まります。
例えば、売掛先企業が大手企業や業績がいい企業であれば、売掛金の未回収リスクが低いと判断され、手数料も低くなるでしょう。逆に、売掛先の信用情報がよくない場合には、売掛金が回収できないリスクが高いと判断されて、基本手数料も高くなります。
ファクタリングは、ファクタリング会社に売掛債権を譲渡しているため、売掛先企業が倒産して売掛金を回収できなかったとしても、契約者が補填する必要はありません。一方、売掛先が倒産して売掛金を回収できなくなれば、ファクタリング会社が大きな損失を抱えます。そのことが加味されて、基本手数料は銀行融資に比べると高めの設定がされているのです。
着手金
ファクタリングの着手にあたり、売掛先1件ごとに着手金を徴収するファクタリング会社もあります。相場としては3万円程度です。ただし、着手金を基本手数料に含めているファクタリング会社も多いです。
登記費用
2社間ファクタリングでは、二重譲渡を避けるために債権譲渡登記をするファクタリング会社も多いです。債権譲渡登記をするためには、登録免許税がかかります。債権個数が 5,000個以下の登録免許税は一件7,500円、5,000個以上の場合は一件15,000円です。
さらに、登記抹消を行う場合には1,000円、オンラインにて登記事項証明書交付をする際には500円かかります。また、債権譲渡登記を司法書士へ依頼する場合、司法書士への報酬もかかります。司法書士へ支払う報酬は、約6~8万円が相場です。
出典:法務省
経費
ファクタリングの経費として、事務手数料・審査手数料・面談のためファクタリング会社が出向く場合には、出張費などがかかります。ただし、これらの費用は基本手数料に含めるファクタリング会社も多いです。
さらに、契約書を作成する場合には、額面に合わせた契約書添付収入印紙代も必要です。
ファクタリングの手数料の相場は?
ここでは、ファクタリングの手数料の相場についてご説明します。
2社間ファクタリングの相場は10~30%
2社間ファクタリングの手数料相場は、10%~30%とされています。
2社間ファクタリングとは、売掛先にファクタリング利用の事実を知らせずにファクタリングの利用ができる方法です。売掛債権を売却したい契約者とファクタリング会社の2社間で契約を結びます。
売掛債権の決済時には、一度契約者の銀行口座に振り込まれ、その後、振り込まれた金額をファクタリング会社に振り込む流れとなっているため、ファクタリング会社には契約者にお金を使い込まれてしまうリスクがあります。そのため、3社間ファクタリングと比較すると手数料が高めに設定されています。
3社間ファクタリングの相場は1-10%
3社間ファクタリングの手数料相場は、1%~10%です。
3社間ファクタリングは、売掛先にファクタリング利用の了承を得る必要があります。売掛債権の決済時には、売掛先からファクタリング会社へお金が直接振り込まれるので、ファクタリング会社は売掛金が未回収になるリスクを抑えることができます。売掛先が大手企業で業績がいい場合には、債務不履行となるリスクが低いので手数料も低く設定できるのです。
ファクタリングの手数料が決まる要因
ファクタリングの手数料は、ファクタリング会社が抱えるリスクによって決まります。
先述した通りファクタリングは、売掛先企業が倒産して売掛金が回収できなくても契約者に補填を求めません。銀行融資の場合、不動産などを担保に融資を受けるので、債務不履行になっても担保を換金して回収できますが、担保を求めないファクタリングの場合にはファクタリング会社が損失を抱えるだけになります。そのため、ファクタリング会社が抱えるリスクが大きいほど手数料が高めに設定される傾向があるのです。
ただし、売掛先企業が大手企業や業績がいい会社の場合は、売掛金が回収できないというリスクが少ないので手数料は低く抑えられます。
ファクタリング手数料を安く抑える方法はある?
ここでは、ファクタリング手数料を訳す抑える方法についてご紹介します。
3社間ファクタリングを利用する
売掛先から直接ファクタリング会社に売掛金を入金する3社間ファクタリングの手数料相場は、1%~10%と2社間ファクタリングに比べると低い傾向にあります。売掛先の信用力が高いと、ファクタリング会社は売掛金が未回収になるリスクを大きく減らすことができるので、手数料は低く抑えられます。売掛先にファクタリング利用の理解があり、問題なく説明ができそうな場合には、3社間ファクタリングを利用してみましょう。
大きな売掛債権でファクタリングを利用する
大きな売掛債権でファクタリングを利用すると、手数料としてファクタリング会社の手に入る金額も大きくなります。
例えば、手数料10%でファクタリングする場合、額面100万円の手数料は10万円ですが、1000万円の手数料は100万円です。金額が大きくなってもファクタリング会社の事務手続きなどが大きく変わることはないので、大きな金額で利用したほうが手数料を低く設定してもらえる可能性があります。
何回も継続して利用する
同じ取引先の売掛債権を何回も継続してファクタリング利用することで、売掛先の信用力が高まります。その結果、手数料を下げてくれる可能性もあるでしょう。
複数のファクタリング会社から見積もりを取る
ファクタリング会社は、独自の方法で審査を行います。そのため、同じ売掛先の売掛債権でも、ファクタリング会社によっては評価が大きく異なることもあるのです。一社目で相談したファクタリング会社が相場より高めの手数料を請求することもありますので、手数料で損をしないように複数社に見積もりを取るのがおすすめです。ただし、手数料だけでファクタリング会社を決めるのではなく、資金調達期間やサポート範囲も判断材料にしましょう。
ファクタリングの手数料を下げる方法をくわくわしく知りたい方はこちら
ファクタリングの手数料に関するよくある疑問
最後に、ファクタリングの手数料に関するよくある疑問に対してお答えします。
ファクタリング手数料は交渉によって変わりますか?
ファクタリング手数料は、交渉によって変わる可能性があります。ファクタリング会社は、ファクタリング利用をしてもらわなければ収益を生み出せません。特に、売掛先の信用力が高く、債務不履行になるリスクが低いのであれば、ファクタリング会社としてのリスクも少ないので利用してほしいと考えるでしょう。提示された手数料が高いと感じる場合には、一度交渉してみるのも手数料を安くする一つの手段です。
赤字・債務超過ですが利用できますか?
赤字や債務超過の場合、銀行融資を断られることがほとんどです。しかし、ファクタリングは契約者の信用力も確認しますが、それより売掛先の信用力に重きを置きます。そのため、銀行には断られてもファクタリングであれば利用できるというケースも十分あり得ます。
一社で断られた場合、他社で利用できる可能性はありますか?
ファクタリングの審査は、各社の基準で行われます。そのため、A社で断られてもB社であれば審査に通ることもよくある話です。一社の審査だけで判断する必要はありません。
個人事業主でも利用できますか?
個人事業主でも利用できるファクタリング会社がほとんどです。しかし、法人専門にしていて個人事業主が利用できないファクタリング会社もありますので、個人事業主が利用できるファクタリング会社かはホームページなどで確認してから相談しましょう。
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起業したばかりでも利用できますか?
ファクタリングは、起業間もない会社でも売掛債権が発生していれば利用できる資金調達方法です。特に起業間もない企業は、担保にする不動産や定期預金などを持たない場合が多いでしょう。担保にできる資産がないと銀行融資も借りにくいので、ファクタリングの利用が便利です。
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悪質なファクタリング会社の見分け方は?
ファクタリング会社を営むにあたり、免許も資格も必要ありません。そのため、さまざまなファクタリング会社が参入しており、中には悪質な会社もあります。
例えば、ファクタリングは一括払いしか許されていません。分割払いは融資の返済にしか認められておらず、貸金業登録のないファクタリング会社が高い手数料で分割払いをすすめてくるのは違法です。また、手数料の規定はないとはいえ、相場をはるかに超えた手数料を求めるのも悪質な会社と判断できるでしょう。
このようなファクタリング会社と契約を結ぶと、後々トラブルに巻き込まれる可能性があるので契約しないように注意しましょう。
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まとめ
資金調達について悩んだら、資金調達のコンサルティング業務を行うヒューマントラスト株式会社へご相談ください。
ファクタリング会社は銀行や貸金業のような規制もないので、常識を超えた手数料を請求する企業もあります。コンサルに相談していただくことで、信頼できてコストの低いファクタリング会社をご紹介できるので、相談料を考えてもお得になる可能性が高いです。どの資金調達方法、ファクタリング会社を選ぶべきか迷っていらっしゃる場合は、ぜひヒューマントラスト株式会社へご連絡ください。
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